研究者の強い味方「キーマン」の存在を知っていますか?

研究マネジメントを行うリサーチ・アドミニストレーターの活躍

研究機関などで研究を行う時に、その研究をよりよく進めていくためのマネジメント業務がポイントになってきます。
大学や研究機関で行われている研究のサポート役となるマネジメント業務を行う人材がリサーチ・アドミニストレーターです。
URAと呼ばれるこの人事は研究プロジェクトについてどのような事を行うかの企画、さらにその運営、成果の活用などを行います。
つまり研究という分野におけるマネジメント業務のプロフェッショナルです。

研究者というのはマネジメント業務というのが苦手な人が多く、せっかく素晴らしい研究を行ってもその研究を活かしたり、研究自体をうまく進めていくための管理、運営の能力というのは持ち合わせていない人が多いといわれます。
そこを補うのがリサーチ・アドミニストレーターです。

URA「リサーチ・アドミニストレーター」とは

文部科学省が行う研究大学強化促進事業によってリサーチ・アドミニストレーターの育成や活用が一気に進んだといわれています。
研究力を強化しようという活動について対象とするものですが、この担い手となったリサーチ・アドミニストレーターの人件費を増やしたという事が大きな躍進につながったのです。

事業によって採択となった22機関、その中にいるリサーチ・アドミニストレーターの人数は2016年時点で476人となっています。
自然科学研究機構が手掛けているユーレックアラートと呼ばれる日本用ポータルサイト、このプラットフォームの開設も大きな成果として注目されたものです。

理系以外、人文系にも広がるリサーチ・アドミニストレーター

京都大学は西の東大と呼ばれる名門国立大学ですが、この大学では、リサーチ・アドミニストレーターの支援について理系にとどまらず、人文系、社会科学系にも対象者を広げています。
広島大学においても、リサーチ・アドミニストレーターが教員の教育研究活動情報を一括し昇格などに反映するというシステム活用に関わり、これによる成果も大きかったようです。

これまでスター教授と呼ばれる注目の教授にしかリサーチ・アドミニストレーターが関わる事がなかったのに、中間層の教授たちにも昇格のチャンスが出てくるシステムになったことで、モチベーションのアップにつながったといわれています。
こうしたシステムを活用したことで広島大学では、材料科学論文の半数について、輝かしい成績を得ていますし、研究者の層が付くなったと評価され、この分析にもリサーチ・アドミニストレーターが活躍したものです。

研究機関でノウハウを伝授するキーマン的存在

大学の理事が内容を整理出来ない事も多い状態の中で、リサーチ・アドミニストレーターが早期に面談し糸をくみ取り分析することで、理事が次のアクションを決めやすくなるとノウハウを伝えています。
大学は何のために行うのかを明確にしないと改革できないという背景をもっているので、リサーチ・アドミニストレーターがいることで目指す方向性を大学全体で共有できるという意見も出てきているのです。

リサーチ・アドミニストレーターはこの先、研究機関、大学を大きく躍進させるキーマン的な存在となる可能性を秘めています。
様々な部署に活用することで大きく飛躍できるヒントをくれるのがリサーチ・アドミニストレーターです。