漢方薬剤師はなくてはならない?

漢方

前回の記事で、薬の購入がドラッグストアやネットや通販などで身近で購入できる傾向があることを取りあげました。(⇒「薬剤師いらなくね?」なんて言われることも)薬剤師がくすりを調剤する必要がなくなっている背景があるため、今後の薬剤師の存続について見解を述べました。

そんな中、漢方や生薬はどうでしょうか?

漢方には保険適用の保険漢方と患者の症状に合わせてオーダーメイドで調剤し処方する自由漢方があります。一部の漢方薬製品はドラッグストアでも購入できますが、基本的に漢方はそれぞれの人に合わせて生薬をカスタマイズして作りだすものです。よって漢方薬剤師はなくてはならないように思えます。

そんな中、漢方のさらなる需要拡大を見据え、漢方ビジネスに力をいれている傾向があるようです。

ここでは漢方に関わる新しい動きのニュースを3つまとめてみました。

漢方薬のイメージが変わる?新サービスとは

副作用が少なかったり、自然界の植物や鉱物などでつくられる漢方は身体によいイメージを持っている人が大半なのではないでしょうか。同時に「本当に効果があるの?」「漢方薬ってわかりにくい」「漢方は高い」「漢方は古い」というようなマイナスなイメージも多く残っているかもしれません。

そんな少し取っつき難い漢方のイメージを変えるべく立ち上がったサイトがこちら👇

そんな漢方のイメージを変えるべく新ブランド『KAMPO MANIA』というサービスが開始されました。

伝統的な漢方の概念を変える新ブランド『KAMPO MANIA』を設立したVARYTEX株式会社は、スマホで自分にあった漢方を簡単に見つけることができるサービスをスタートさせています。

慢性的で本格的な不調というよりは、日々の生活でちょっと気になる体調のことや、なんとなく感じる不調に対し漢方を取り入れやすくするためのサービスといった感じではないでしょうか。

こちらのサービスには、ただ単に自分に合った漢方を簡単に見つけられ、購入できるだけではなく、漢方の正しい知識や情報の提供があり、漢方に関するプラットホーム的なポータルサイトに展開していくように感じています。

現代の若い世代の人がより使いやすく、気軽に漢方を取り入れやすい仕組みの 『KAMPO MANIA』 に期待が膨らみます。

漢方の最先端を学ぶなら

薬といえば富山県。「富山の薬売り」で江戸時代から続く薬の街です。そんな富山市に位置する富山大学では、日本の風土に対応した薬草・生薬と中国漢方を組み合わせた「和漢医薬学総合研究所」があります。

「和漢医薬学総合研究所」では民間企業と官公庁が協力し合い、産学官で制作した和漢胃腸薬の開発をしたり、日本漢方、中国医学、インド医学でなどで用いられる生薬を、約30,000点の標本が保存・展示されていたりします。

大学で学部生として学ぶことも、大学院から入学して学ぶこともでき、まさに最先端の漢方が学べる環境が富山大学にあるのです。和漢医薬学に関わる仕事に興味がある方は富山大学を目指すとよいでしょう。

富山大学に興味があるという方に向け、もう少し富山大学周辺環境のことも説明を加えましょう。

富山大学周辺環境

富山大学には3つのキャンパスがあります。

  • 五福キャンパス
  • 杉谷キャンパス
  • 高岡キャンパス


五福キャンパスには人文学部、人間発達科学部、経済学部、理学部、工学部等があり、杉谷キャンパスには薬学部等の医薬系が、 高岡キャンパスには大講堂やグランド等の設備があります。 「和漢医薬学総合研究所」 があるのは杉谷キャンパスになります。

北アルプスの群峰する立山、日本海では最大の外洋性内湾である富山湾。富山県ならではの恵まれた自然環境に囲まれながら、利便性の高い富山市内は、学生生活を過ごすのにとても適した環境です。また、地域の住民とのつながりも強くアットホームでのびのびと学習することができるでしょう。

最新の和漢医薬学が学べるだけではなく、富山大学周辺は生活に困ることがないお店が程よく軒を連ね、集中して学問にはげむことができる環境が整っています。

一人暮らしをするなら富山大学周辺の学生マンションもおすすめです。

大手製薬会社、漢方工場建設

漢方・生薬製品のさらなる需要拡大を見据え、小林製薬株式会社はこの度富山に漢方製剤を製造する「新漢方棟」を建設するというニュースをリリースしました。健康意識の高まりを背景に、漢方事業の成長を掲げたとのこと。今後市販される漢方薬が増える可能性がありますね。

漢方薬の薬剤師もどちらかというと活躍の場が限られてくるのではないでしょうか。漢方がもっと身近になって、健康に生活することができるようになることは望ましいことですが、大学などでしっかりとした人材教育がおこなわれその土台の上に、こうした手に入りやすい、身近な漢方が広がってゆくことを願っています。