JR東日本の研究開発

5つの研究

JR東日本は鉄道会社であり、日夜鉄道を運行しています。
そして埼玉県にJR東日本研究開発センターがあり、以下の5つの研究開発を行っています。

・フロンティアサービス研究所
顧客満足を追求するマーケティングセンターであり、新たな駅作りなどを調査研究します。
たとえばフルカラーのLED列車案内表示が、ここの研究で作られました。

・先端鉄道システム開発センター
車両制御システムの革新を中心にして、利便性・安全性・快適性・安心生の向上、環境保護の研究を行っています。
時速360kmで走行を目指すNEトレインの試験走行などを行っています。

・安全研究所
鉄道運送に関する安全性のアップを命題に、事故防止やヒューマンファクターの追求に取り組みます。

・テクニカルセンター
鉄道メンテナンス費用の削減を中心に、整備時間の短縮、整備の行い方を研究します。
次世代分岐器転轍機、TC型省力化軌道などが研究の一環です。

・防災研究所
鉄道輸送事故に関わる自然事象の関係を研究しています。
鉄道災害の発生機構の解明や災害に関わる観測と検知、危険度評価手法の開発、災害対策の効果的な方法などに取り組んでいます。
たとえば、JR羽越本線脱線事故を教訓にドップラー・レーダーを設置するなどを行っています。

風洞実験

JR東日本では、昔から新幹線を運用していますが、高速で移動する新幹線は大きな騒音を発生させます。
新しい形の新幹線を登場させる前には、必ず風洞実験を行い、そして実際のレールでの走行実験を行い、騒音対策をして、新幹線の形状の改良を行っています。

新幹線では騒音を発生させる大きな部分としては、パンタグラフと先頭部分の形状があります。
通常のレールの中を走るのはもちろん、トンネルの入り口と出口でも騒音が発生し、出入り口では空気が大きく乱されるためです。
最近の新幹線の先頭部分の形状は奇妙な形をしていますが、これも空気抵抗を少なくし騒音を減らすために考えられた形になっています。

パンタグラフも、新幹線が走行すると空気の流れを大きく乱し、騒音を発生させる部分です。
この騒音を解決したのは実は実験結果よりも先に、ふくろうの羽根の形状でした。
パンタグラフにも鳥の羽のようにギザギザの形を加えると、空気抵抗が減り騒音が減ることがわかったのです。

また新幹線の先頭部分が、流線型になっており突き出ているのも、これはカワセミのくちばしにヒントを得て、同じような形状にすると騒音が減ることがわかったのです。
新幹線の先頭部分の形は、かわせみのくちばしのようになっているのです。

今後も新幹線はさらなる高速化を目指しますが、高速になればなるほど、今後も騒音は大きくなってきますので、さらなる対策を必要とし、研究は続けられていきます。