重症化を防ぐ切り札「遠隔診療」とは

地方での深刻な医療問題を解決に導く遠隔診療

地方にいると医療について心配事が多くなります。
総合病院があっても医師が揃っていない状態で救急指定されている病院でも、夜間に訪れると外科の医師がいない、小児科がいないから見る事が出来ないといわれることもあるのです。
緊急手術なども出来ない状態ですから、当然救急車、ドクターヘリなどを利用し遠くの病院に移動し手術を受ける事が必要です。
通常なら助かる命も医師がいない、医療機関の人材が整っていないことで命をなくすリスクが高くなります。

また高齢になると医療機関に行く際、移動するのが困難という場合も出てきます。
移動する事が出来ても近くの病院で治療することが出来ないくらい悪化していたり、具合が悪くてもがまんしてしまう事もあり、いずれにしても医療機関が少ない、医師がいないという事は非常に危険な事です。

そこで僻地、遠方の患者さんが安心して過ごすことができるように遠隔診療のシステムが広がりを見せています。
病院が少ない、医師が少ない状態でも、遠隔診療によって診療できるようになれば、重症化する患者さんも少なくなると期待されているのです。

遠隔診療とはどういうものなのか

2018年の診療報酬改定によって遠隔診療の評価を設けると政府が発表しています。
これによって遠隔診療を行う医療機関が多くなることを期待しているのです。

遠隔診療は医師がテレビ電話などを用いて患者とつながることで、診療を可能にします。
対面診療が出来ない補完的な位置づけとなりますが、医師は患者さんが今どういう状態なのかをテレビ電話などの画面を用いて動画で確認できるため治療しやすくなります。
また電子メールなどを利用出来る会員制の交流サイトも組み合わせて遠隔診療を行う事も可能となるようです。

問題となるのは通信手段

若い世代がいるご家庭にはインターネット等が普及していますが、高齢者だけのご家庭の場合、遠隔診療を受けるための通信手段がないという事も多いです。
近くの公共機関などを利用し、診療が出来ないかと模索しますが、これは医療法上出来ないこととされています。

また遠隔診療を行う医療機関としても、対面診療と比較すると請求できる診療報酬が少ないという事があり、こうしたことが導入の邪魔になっている事も多いのです。
これらの課題については情報数珍機器を用いた診療について、ガイドラインの作成を急いでいます。

遠隔診療用のデバイス開発は進化している

遠隔診療を行うデバイスについては、開発がどんどん進み、東京都荒川区の在宅健康管理を推進する会などでは、みまもりブレイン連続心電図サービスを提供するとしているのです。
これは充電式の小さい心電計を長くて7日つけっぱなしにしておき、心電図を記録するというデバイスを利用した取り組みとなっています。

保険認可が下りているという事で、この先、医療機関のほかにも在宅医療や介護の現場でも活躍が期待されるのです。
計測したデータについては心電図計と一緒に貸与されるスマホを仲介しサーバーに送られるシステムとなっています。