傷の回復を早める効果に期待!「細胞シート」とは

傷の回復を早める?細胞シートのすごさ

細胞シートというのは、手術を行った痕の傷の回復を早める為に利用するもので、その新しい細胞シート作成法が注目を集めています。
横浜国立大学、関東学院大学の教授らが開発したこの細胞シートは手術後の傷、臓器の計上にあわせることができるもので、手術後の癒着などのトラブルを回避する策となるのではないかと期待されているのです。

MRIの画像によって患者酸一人一人にあわせた鋳型を作ってその細胞を培養し作られます。
現在すでに動物実験なども始まるという段階で、私達が手術を受ける時、近い将来利用されることも期待されているのです。

複雑な構造には難しかった細胞シートの移植

細胞シートというのは、患者さん本人の細胞を培養し作ります。
この培養したものを細胞シートとして幹部に張り付け、細胞を定着させるという技術です。
現在もこの細胞シートは利用されているのですが、構造が複雑な患部に定着させることが難しかったといいます。

手術の後の傷となればそれほど難しい構造になっていませんが、例えば小腸などのひだがある複雑な構造を持つ部分には、これまでの細胞シートではうまく移植できない状態だったのです。
そこでMRIを利用し複雑な形状でも定着させることのできる細胞シートの作成を考えたといいます。

内臓などの複雑な形状を持つものでも、MRI画像から3Dプリンターを活用することで移植できるシートが出来ないかと考えたのです。
3Dプリンターの手法には、マイクロ光造形法という技術があり、それを利用し鋳型を形成します。
これによって内臓と同じ複雑な構造を持つ細胞シートが出来るので、傷に移植、定着しやすく、また細胞シートを無駄にすることも無くなるというわけです。

これから先に期待される細胞シートの活用

実験用に作った細胞シートをマウスの腹腔膜に移植し1週間ほど経過観察してみると、移植した細胞シートはしっかりと体内に定着していたといいます。
現在、この動物実験の段階ですが、これが人の体に利用出来るようになれば、術後の回復は大きく変わると考えられるのです。

既存細胞シートは温度応答性ポリマーという特殊な素材を培養し、20℃に下げ1時間を使い脱離するというものですが、新しい細胞シートが利用出来るようになるとこの時間も短縮されます。
細胞シートの脱離が短時間になれば、移植の時間も格段に短くなり、細胞が死ぬという事も少なくなると期待されているのです。
この先、血管の様にさらに複雑な構造をもっている部位について細胞シートを作る事が出来ると期待をもっており、これが実現すれば、移植の世界も手術そのものについても、大きく躍進する事が考えられます。