化学系の学部出身者が有利
化粧品メーカーから新たに販売する新商品の開発をするための技術職となるのが化粧品開発技術者です。
化粧品は女性にとってはほぼ毎日のように使用する日用品であるとともに、その時期その季節ならではの流行もかなり影響してくるファッション製品でもあります。
化粧品開発技術者は購入する消費者にとって魅力的な製品づくりをするために、その時々のトレンドに合った製品を考えていくとともにそれが安全にしようできる製品であるかということをチェックしていく仕事をします。
化粧品の開発から販売までの流れの中では、企画や市場調査、営業、広告宣伝、品質チェックなどといった複数の業務が介入してきますが、その一員として化学的な部分の技術を担当していくことになります。
当然就職をするためにはしっかりと基礎から化学の知識が備わっていなければならないため、主に理系学部のある大学や技術系の専門学校などに求人が出されます。
理系の学部専攻の中でももっとも有利とされているのは理学部化学科などの化学を専門に学習した人です。
ですが薬剤などを数多く取り扱ったり、人の肌という生物に関する知識も多く必要となるので薬剤師の資格者や生物学や環境学を学んだ人も多く採用されています。
理系スキルだけでなく文系センスも必要な仕事
化粧品開発という仕事は実際に作成する製品のほぼ全てが女性向けのものになるということから女性スタッフの割合も多くなっています。
ですので理系学部を出た女子学生にとっても人気のある就職先となっており、自分自身も一人のユーザーとしてどういった製品が今後多くの消費者の心をつかんでいくかということを考えながら仕事をしていくことになります。
そういう意味で一応は「研究開発者」という立場でありながら、人間心理や購買意欲といった文系的な能力や感覚が求められる仕事というふうに言えます。
化粧品開発においてはただ製品的な良し悪しだけでなく、価格面や使用されている素材といった細かな部分も総合的に消費者に判断をされていくため、化学的な知識だけに限定しない世の中全体に視野を持って勉強していくという姿勢も求められてきます。
特にここ最近では化粧品による健康被害の問題は一歩間違うと致命的なメーカーへのダメージになるということも多いため、研究者としての技術力や観察力はかなり高度に必要となっています。
化粧品開発の仕事をするためにとっておきたい資格
化粧品開発の仕事をするために必ず取得をしておかないといけない資格というものはありません。
ですが将来本格的に化粧品の技術開発をしていきたいという人なら、基礎的な知識が必要になる分野の資格をいくつか取得しておきたいところです。
開発作業をするときには数多くの薬品を研究室や工場内に在庫としておくことになるため、それらを取り扱うための資格があると就職に便利です。
具体的には国家資格の「危険物取扱者」や「特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者」「毒物劇物取扱者」などといった、薬品の保管や売買に関する業務を行うための資格です。
大学ではなく専門学校から化粧品開発を目指すという場合であれば、民間資格の「バイオ技術者」といったものがあると必要な知識があることを証明できます。
大学で薬学もしくは化学を専攻した人なら「化粧品総括製造販売責任者」という国家資格を取得することができます。
「化粧品総括製造販売責任者」とは化粧品の製造・販売をするメーカーならば必ずおかなくてはならない資格者となっており、万が一販売した製品によって消費者のトラブルがあったときにはすみやかにその分析や報告をするという業務を担当していきます。